大腸がん

大腸がんの初期症状とは?7つの検査方法とともに解説

最近おなかの調子がすぐれない…

重い病気の症状だったらどうしよう……


おなかの不調の原因が病気にあったら……と考えると、いても立ってもいられません。


不調が大腸がんのサインだとしたら尚更恐ろしいですよね。


この記事を読めば、おなかの症状から大腸の検査を受けるところまで、不安が取り除けますよ!




どんな症状があるのか、いち早く知りたい人はこちらからジャンプできます。



大腸がんとは?


症状を説明する前に、大腸がんの特徴について簡単に解説します。



がんの発生部位と進行度で治療法が大きく異なる


大腸とは、下図に示す盲腸~上行、横行、下行、S状結腸、直腸までの広い範囲を示します。


そして大腸がんは大腸の粘膜に発生し、進行したがんは粘膜から壁の奥まで広がっていきます。


図1 大腸の構造 

                   引用元:がん情報サービス


進行したがんは、腸の壁を突き破り、おなかのなかにがん細胞が散らばってしまう場合(腹膜播種)もあります。


大腸がんとはひとことに言っても、発生した場所やがんの進行の度合いで手術方法や治療方針が大きく異なります。


内視鏡で日帰り手術できる早期がんもあれば、放射線治療が必要な場合もあります


一概に大腸がんといっても様々なんです。


50歳を越えるとリスクが高まる


大腸がんは患者数が年々増加傾向にある恐ろしいがんです。


ただすべての年代で発症しやすいわけではありません。


下の図2を見てみてください。


図2 2019年 大腸がん 罹患率

引用元:大腸がん 国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録)


50歳に境に患者数が急激に増えること、その後は高止まりすることがわかります。


子育てや仕事が一段落して、「人生これから」というタイミングで大腸がんになるケースも少なくありません……


早期発見であれば治る確率が非常に高い


統計によると、がん疾患のうち大腸がんの死亡者数は男性で2位、女性で1位です。
国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(厚生労働省人口動態統計)numberより


患者数が年々増加傾向にあることも相まって、恐ろしいと感じる人も多いでしょう。


ただ他のがんと比べると、大腸がんは早期発見すれば非常に治りやすいんです。


図3 消化器がんの5年生存率 比較

引用元:全国がん罹患モニタリング集計 2009-2011年生存率報告 (国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター, 2020)

限局、領域、遠隔の定義

  1. 限局:原発臓器にとどまっている

  2. 領域:所属リンパ節転移(原発臓器の所属リンパ節への転移を伴うが、隣接臓器への浸潤なし)または隣接臓器浸潤(隣接する臓器に直接浸潤しているが、遠隔転移なし)

  3. 遠隔:遠隔臓器、遠隔リンパ節などに転移・浸潤あり


図3のがんの治癒率を見ると、肝臓や膵臓と比べて、大腸(結腸・直腸)は治癒率が高いことがわかります。


腸だけにがんが留まった限局状態であれば、直腸では95.7%、結腸に至っては98.2%です。


全体の死亡者数は多いですが、早期発見さえできれば非常に治りが良いのが大腸がんの特徴です!


だから早期発見のために大腸がんの検査を受けることはとても大切なのです。


大腸がんの初期症状、進行がんの症状


大腸がんは早期発見が重要という話をしました。


ただ注意が必要なのは、早期の大腸がんは症状がわかりにくいこと。


つまり基本的に初期の大腸がんは自覚症状がありません。


大腸がん検査の受診がとても大切なのは、症状が出ている頃には既にがんが大きくなり進行している可能性があるからです。


大腸がんが引き起こす症状は次のようなものがあります。


大腸がんの症状

血液が混ざった便(血便)、下血(出血にともなう貧血)

便秘・下痢、おなかの張り

便が細くなった、便が残っている感覚がある


上記の症状がある場合は、すぐに消化器科の病院を受診することをオススメします!


大腸がんの検査方法


大腸がんの診断は以下の検査で行います。



それぞれの検査のメリット・デメリットを比較しました。


検査リスト 便潜血検査 大腸内視鏡検査 注腸検査 CTC (CTコロノグラフィ)検査 PET-CT検査 MRI検査 CT検査
メリット ・簡便で受けやすい
・低コスト(2000円以内)
・体に負荷がかからない
・サイズ次第では、検査時にポリープの切除が可能
・小さな病変も見ることができる
・病変の広がりを確認しやすい
・出血や腸に穴が開くリスクがない
・内視鏡が入らない人でも検査が可能
・下剤を飲めない高齢者でも受けられる
・体への負担が小さい
・がん病変の検出能力が高い
・全身にがんがないか見ることができる
・放射線を使わないので被ばくしない
・大腸がんの肝臓転移の有無がわかりやすい
・血管の情報を得ることが得意
・検査時間が短い
デメリット

・すべての大腸がんを発見できるわけではない
・出血時は検査ができない(痔,
生理中など)

・確定診断はできない

・体に大きな負担がかかる
・技術による差が大きい

・出血や、腸に穴が開くリスクがある
・体に大きな負担がかかる
・放射線を使う検査のため被ばくをする
・大腸内視鏡と比べると精度は劣る
・小さい病変は見つけにくい
・造影剤アレルギーがある人は受けられない

・放射線を使うため被ばくする
・検査費用が高額(自費負担で10万円)
・放射線を使うため被ばくする
・評価が難しい部位もある(脳はブドウ糖が集まるので評価できない)
・検査時間が長い
・体内金属があると検査ができない場合がある

・閉所恐怖症にはツラい
・造影剤アレルギーのリスクがある
・放射線を使うので被ばくする


便潜血検査


がん細胞は大きくなる過程で、血管を新しくつくります。


がんがつくる血管はもろく出血しやすい傾向にあります。


この性質を活かして、便の中の血液の有無を確認するのが便潜血検査です。


便潜血検査は、わずかな出血でも検出でき簡便なので、大腸がん検診でよく行われます。


検査のしかたは、アラレちゃんみたいに検査専用の棒で便をつついて提出するだけ。めっちゃ簡単です!


簡単に受けられるのはメリットですが、出血しないポリープが見逃されてしまう難点もあります。


大腸のポリープの中にはがんの前段階のものもあるので注意が必要です。


便潜血検査のメリット・デメリットは次のとおりです。


メリット デメリット
・簡便で受けやすい
・低コストで受けられる(2000円以内)
・体に負荷がかからない
・すべての大腸がんを発見できるわけではない
・出血時は検査ができない(痔や生理中など)

・確定診断はできない


支援クーポンを配っている自治体もあるので、気になる人はぜひ確認してみてくださいね


大腸内視鏡検査


大腸内視鏡検査の最大の強みは、医師が直接カメラを操作して検査を行うところです。


疑わしい箇所があれば、その部分の組織を取り(生検といいます)、検査をして、がん組織の有無の確認します。


また小さなポリープであれば、検査中に切除することも可能です。


大腸の内視鏡検査では、カメラをお尻に直接入れるので体力的にも精神的にも負担が大きい反面、メリットも大きいんです。


メリット デメリット

・サイズ次第では、検査時にポリープの切除が可能
・小さな病変も見ることができる

・体に大きな負担がかかる
・技術による差が大きい

・出血や、腸に穴が開くリスクがある


早期発見&治療ができるので、大腸の検査をしたことがない人は一度受けることをオススメします!


注腸検査


バリウム検査というと胃のイメージをする人が多いかもしれません。


ですが胃だけではなく大腸のバリウム検査もあり、注腸検査と呼ばれています。


注腸検査は内視鏡検査と似通った部分があるため、最近では内視鏡検査を行うことがほとんどです。


現在では病変の広がりを確認する目的で外科手術の前評価や、術後の患者さんで内視鏡検査が厳しい場合に行われることが多いです。


メリット・デメリットは以下のとおりになります。


メリット デメリット

・病変の広がりを確認しやすい
・出血や、腸に穴が開くリスクがない

・体に大きな負担がかかる
・放射線を使う検査のため被ばくをする
・大腸内視鏡と比べると精度は劣る


注腸造影よりも大腸内視鏡のほうが今の主流の検査になっています


CTC (CTコロノグラフィ)検査


内視鏡のカメラを使わずに大腸を調べる方法として、CTC(CTコロノグラフィー)という検査があります。


この検査ではお尻に炭酸ガスを入れて、大腸を膨らませた状態でCTの撮影を行います。


炭酸ガスは体内で吸収されますし、下剤も少なくて済むので、内視鏡検査よりも体にやさしいですよ!


とはいえ、病変の検出には限界があり小さな病変は見つけにくいのがデメリット。


放射線を使う検査のため、妊娠中は受けられないことにも注意が必要です。


メリット デメリット

・内視鏡が入らない人でも検査が可能
・下剤を飲めない高齢者でも受けられる

・小さい病変は見つけにくい
・造影剤アレルギーがある人は受けられない

・放射線を使うため被ばくする


CT検査で使う造影剤や、被ばくに関しては気になる方は下の記事を確認してみてくださいね。


合わせて読みたい
大腸がんでCT検査をする意味とは?検査までの流れと気を付けるべきポイント


PET-CT検査


がんは成長の過程で、ブドウ糖を必要とします。


この性質を利用したのがPET-CT検査です。


FDGという放射線を放出するブドウ糖のお薬を投与し、このブドウ糖をがんが取り込んでいる様子を画像で可視化します。


お薬を注射して時間を空けてから全身の撮影をするだけなので、体への負担が小さい検査です。


自費の場合は10万円前後と非常に高額ですが、大腸がんだけでなく全身のがんの有無を検査できるのがPET検査の強みです


メリット デメリット

・体への負担が小さい
・がん病変の検出能力が高い
・全身にがんがないか見ることができる

・検査費用が高額(自費負担で10万円)
・放射線を使うため被ばくする
・評価が難しい部位もある(脳はブドウ糖が集まるので評価できない)


PET検査についてもっと知りたい人は、下の記事で解説しているのでぜひ確認してみてくださいね!


合わせて読みたい
PET検査ってどんな検査?検査の流れから費用と保険適用まで解説。


MRI検査


大腸がんの検査でMRI検査を受けるのは、がんの転移がないか確認する場合が多いです。


大腸をはじめとした消化器のがんは肝臓へ転移しやすい傾向があります。


大腸がんの場合、肝臓に腫瘍がないかを確認する目的でMRIを撮ることがほとんど。


転移の有無は大腸がんの悪性度を決めます。


転移の有無はがんの悪性度と治療方針を決めるのでMRI検査はとても重要なんです!


メリット デメリット
・放射線を使わないので被ばくしない
・大腸がんの肝臓転移の有無がわかりやすい
・検査時間が長い
・体内金属があると検査ができない場合がある

・閉所恐怖症にはツラい


CT検査


CTコロノグラフィーとは別で、腸をガスで膨らませずに検査を行うこともよくあります。


おもに初診の場合に撮影することが多いです


これは今までの病歴やおなか全体の状態を確認するためです。


またすでに大腸がんであると判明している場合に、血管の情報を得る目的で撮影する場合もあります。


人によって血管の走っている場所は大きくことなります。情報がある場合とない場合では、手術のしやすさが全然違うんです!


メリット デメリット
・血管の情報を得ることが得意
・検査時間が早い
・造影剤アレルギーのリスクがある
・放射線を使うので被ばくする


血管の情報を得るためには造影剤を使うのですが、中にはアレルギー反応が出る人もいるので注意が必要です。


万全な検査をするためにも、アレルギー症状がある人は先に伝えておくと安心です!


40歳以上になったら大腸がんの検査を受けましょう!


大腸がんの症状と、検査方法について今回は解説しました。


大腸がんは年々患者数が増加していて、50代になるとリスクが急激に高まる恐ろしいがんです。


しかしその反面、大腸がんは早期発見で治りやすい特徴もあります。


40歳を過ぎても大腸の検査を受けたことがない人は、ぜひ一度検査を受けましょう!


合わせて読みたい
大腸がんの治療法とは?ステージ分類別の治療法と合併症を解説
  • この記事を書いた人

さとし

現役の放射線技師。がん特化病院に勤務するかたわら、医療系WEBライターとして記事を執筆中。 三度の飯より読書が好き。