資産運用・家計管理

節税を考えたら、取り組む前に見直すべきたった1つのこと。

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新卒のころは自分の人生がどう進んでいくのか、あまりイメージがつきませんでしたよね。それでも社会人を続けていると、先輩上司の後ろ姿や友人との会話などから、仕事や生活の自分の未来が浮かび上がってくるものです。

未来が見通せるようになってきて、人ははじめて節制を身に沁みて感じるようになります。お酒で失敗しないようにセーブをしたり、太らないようにするために食事制限をかけたりするように、私たちはさまざまな欲望に直面するのです。

現代の日本人である私たちにとって、喫緊の課題はお金にまつわる話ですよね。結婚をしてマイホームを持ったり、子どもを養うとなると貯蓄は避けて通れない道です。そのために私たちは、知恵を絞り節約に励みますよね。より意欲的な人は節税にも取り組んでいることでしょう。

熱心にふるさと納税やNISAに取り組んでいる人も少なくありません。確かに節税は大切なことですし、その効果は非常に大きい。

ですが、効果が大きいがゆえに忘れ去られている重要なことがあるんです。今回は節税に取り組もうと考える際に見直すべきことについて紹介します!

ストックとフローの理論から節約の限界について考える

節税の話をする前にそもそもの節約とは何か考えていくこととします。

経済学においてはストックとフローという2つの用語があります。ストックは貯まって留まっている部分フローは流れている部分を指します。それぞれ家計に当てはめて考えるとストックは貯蓄であり、フローは収入と支出を意味します。

私たちが貯蓄をしようとすれば、解決方法はフローをやりくりするしかありません。

一つは、収入を増やす方法。もう一つは支出を減らす方法です。このうち、貯蓄をしようとすれば、支出を減らす方法、つまり節約という選択を選ぶことでしょう。これは節約という方法が手っ取り早いからです。

ですが、節約という方法には限界があります。

最低生活費という言葉があります。これは生活保護費の算定において利用される考え方であり、地域や家族構成によって違います。

仮に東京都内在住の68歳の高齢者の一人暮らしの場合、支給額は131680円となっています。(厚生労働省「生活保護制度の概要等について」より)

生活保護の場合、医療費や水道料金などの費用を払う必要はありませんが、だとしても月によってはギリギリになるのではないでしょうか。実際、生活保護法60条には次のように記されています。

被保護者は、常に、能力に応じて勤労に励み、自ら、健康の保持及び増進に努め、収入、支出その他生計の状況を適切に把握するとともに支出の節約を図り、その他生活の維持及び向上に努めなければならない。

生活保護法 第60条

このように、支出の節約を図ることが条文に書かれているのです。つまり、ギリギリまで切り詰めてやっとはじめてこの額面で抑えることができるということなのです。

でもこのことを裏を返して考えれば、どんなに節約をしても一人暮らしなら最低生活費ぶんはかかるとも捉えられますよね?

つまり、重要なのは節約で抑えることができる出費には限界があるということです。

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時間と報酬と税金の関係性

ここまで節約について解説しました。確かに、節約(節税も同様です)をすることは貯蓄をする上で確かに大切。

ですが、肝心なことは節約には限度があるということ。極限まで節約をしていて極端に出費を減らす生活では、今自分が大切にしていることまで手放さねばいけなくなります。自分の趣味に関連するモノを売り払って資金にしたうえで今後一切買い直すことができないとしても、私たちは正気で生きていけるでしょうか?

きっとどこかで息苦しく感じるはずです。

そもそもお金というのは引換券そのものです。お金の価値は何かと交換できるからであって、あの紙っぺら一枚に価値があるわけではありませんよね。だから、お金とは自分が欲しいものを手に入れるために存在していますし、そもそも相対的なモノです。最近は円安になり日本円の価値は下がっていますよね、環境によって大きく左右されてしまうものなのです。だからお金に執着するのってとても恐ろしいことです。

しかしながら、私たちはモノを手に入れるための引換券であるお金を得るために、自分の時間を切り売りして働いています。ですが悲しいことに、ここで得られた引換券はまるまる自分の時間を変化したモノではありません。なぜならこの引き換え券を手に入れるためには、手数料が発生するからです。

つまり自分の時間を切り売りしてお金を得ると税金が発生するのです。手取りの収入は支給総額に対して75-85%ほどと言われています。つまり、1時間を仕事に使うと、15-25%は国に税金として没収されてしまうのです。

違和感なく感じている人がほとんどでしょうが、これってすごくヘンな話だと思いませんか?

だって仕事以外の好きなことに費した1時間は、1時間のまま存在し続けているのに、労働になると費やした1時間は、15-25%を差し引かれた45-51分の価値しかないことになり、残りの時間は蒸発して消えてしまうんですよ。税金というものの存在がある意味ではサービス残業を強要しているような感じさえあります。

当たり前ですが、そもそも時間とは概念なので非課税なものですよね。なのに働けば働くほど、税金として国に自分の時間を吸い取られてしまうのです。

だから、究極的な節税とは、超過勤務をせずに仕事を勤務時間内に抑えるように努めることなのです。

人生一度きりなのに、自分の時間を職場に吸い取られ、なおかつその時間の一部は税金として蒸発してしまうなんて悲しくないですか?しかも自分のために時間を使えば、その成果は確実に自分のモノになるのに、職場のために費やした時間は職場の肥やしになり、自分に跳ね返ってくるのはその一部に限ります。

だから、超過勤務を最小限に抑え、自己投資にたっぷりと時間を投資することがもっとも重要なのです。

投資信託をしている人なら知っているかと思いますが、分配金には「受け取り型」「再投資型」の二つがあります。

最終的に大きな利益を獲得するために必要な方法は「再投資型」と言われています。それは、再投資をすることで、その自分の再投資したぶんも、時間が経てば大きな運用益を生み出し、雪だるまのようにどんどん利益が大きくなっていくからです。いわゆる複利というやつですね。

これは仕事に関しても同じです。職場から超過勤務としてその都度支払われる「受け取り型」自己投資を行って自分の能力を磨く「再投資型」。最初はほとんど差がないかもしれませんが、結果的に大きな差を生み出すことは言うまでもない話です。

だから自分の胸に手を当てて考えてみてください。

いま、あなたがしていることは、超過勤務をして自分の時間を犠牲にしてまで取り組む必要がありますか?

まとめ

超過勤務と自己投資、あなたはどちらの人生を選ぶ?

今回は節税に取り組む前に知っておくべき重要なことを解説しました。

どうしても業務が立て込んでしまうと超過勤務は増えてしまいますし、ちゃんと給料が増えるため自分なりの解釈で納得させて、根本的な問題から目を背けがちなんです。

でも、ここでちゃんと向き合えるかどうかはとても重要です。

立ち向かえば、税金を抑えることもできますし、浮いた時間の分だけ自己投資を重ねることができます。対してほったらかしにしていれば、スキルアップを図る時間も取れず、いずれ職場のお荷物になってしまうかもしれません。

超過勤務スパイラルで消耗する未来とと自己投資スパイラルでどんどん成長していく未来。

どちらの人生をあなたは進んでいきたいですか?

一度考えてみてくださいね。

そしたらまた。

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