資産運用・家計管理

【年収は住むところで決まる】都会の経済学的なメリット。都会と田舎、どっちを選ぶ?アラサーのしたたか人生戦略。 

あなたは今まで何回転居したことがありますか?転居のタイミングとしては、進学や就職のタイミングが多いですよね。私は田舎出身で、昔から都会のきらびやかさに憧れがありました。私とは対照的に都会にしか住んだことのない人は、田舎の暮らしに興味がある人も結構多いです。きっとこれは、ないものねだりであり都会人は田舎を、田舎人は都会に憧れを抱くものなのでしょう。

私は進学で一度、転職と転勤で一回ずつ転居をし4つの街に住んだことがあります。電車のないような田舎町から政令指定都市まで。田舎出身の私はたまたま転居により次第に大きな街に移り住んできて、いまはとある政令指定都市で暮らしています。

そこで今回は都会と田舎について、私の生活で感じたことと、経済学的な研究結果をもとに以下のことを解説していきます!

この記事でわかること

・経済学の観点から見た都会の魅力

・都会と田舎のどっちを選ぶか?アラサーの争点

ではさっそくはじめていきます!

都会の魅力を経済的な観点で考察する

日本の三大都市圏に住んでいる人の割合は1955年から年々増加傾向にあります。総務省の統計によると、現在52%程度で、推定では今後も増加していくと見られています。

では都会の魅力は何か?経済学的な観点で見ると大きく分けて次の2つです。

・多様性
・高収入

それぞれが何を意味するのか?ここから解説します。

多様性

都会の魅力は多様性に富んでいる点です。社会や職場において多様性は大切。それは多様性が発展につながるから。いろいろな視点があれば新たな気づきが生まれ、実りのある討論になり、良い成果を得られやすくなる。これこそが多様性の本質です。

都会は田舎よりも圧倒的に多様性に富んでいます。具体的には次の3つが都会の大きなメリットです。

・教育
・文化の土壌
・住環境

では具体的に述べていきます。

教育

「支出の滝」という言葉を聞いたことはありますか?これは、ロバート・H・フランク氏の著書「幸せとお金の経済学」という本に出てくる言葉で、支出の連鎖を意味します。支出の滝について著書の中では次のように述べられています。

現在、日本では所得税率の最高税率が1979年よりも40%ほど減税されている。これにより富裕層は経済的な余裕が生まれた。お金のあまった彼らは大きな家や立派な車を購入する。そうすると地価が高騰する。人気のあるエリアは競争が激しく、本来獲得できたはずの一定水準の生活が以前よりも割高になり、コストが上昇する。

「幸せとお金の経済学」p.116-119,237

都会は田舎よりも格差が大きくなりがちです。その日のごはんに困っている人もいれば、お金持ちもいます。お金持ちは住環境や教育の大切さをよく理解していて経済的余裕もあるので、環境のよい地域に転居します。中流階級層も同じように、教育に投資するべく住環境にこだわる。これにより地価が高騰して、住宅物件が高騰するんです。このような流れで自然と教育レベルにも格差が生まれます。でも、ある意味では自分の子どもの教育レベルに合わせて最適な学校の受け皿があることは、田舎にはない都会の良いところです。
田舎では、高校進学を機に親元を離れなければ進学校に通えない地域はザラにある話。
今後少子化が加速することを考えると、地方の街の進学校の学力レベルを担保することも難しくなります。その点で教育の格差は今以上に田舎における大きな問題になるリスクがあります。

また、エンリコ・モレッティ氏の「年収は住むところで決まる」という本では教育について次のように述べられています。

教育レベルの高い住民が多いと地域経済のあり方が根本から変わる。 住民が就くことのできる仕事の種類が増え、労働者全体の生産性も向上する。 その結果高学歴の働き手だけでなく学歴の低い人の給料も高くなる。
ノーベル経済学賞受賞者のロバート・ルーカスは1988年の有名な論文で、知識の伝搬は時としてきわめて大々的なものになり、長い目で見れば、それが豊かな国と貧しい国の格差を生み出す要因になりうると主張した。 ルーカスによれば、人と人が交流すると、その人達はお互いから学びあう。 その結果、教育レベルが高い仲間と交流する人ほど生産的で創造的になる。 教育レベルの高い人に囲まれているだけで、経済的な恩恵を得られるのだ。これが人的資本の外部性である。

「年収は住むところで決まる」p.124,134-135

実際に私が田舎で生活してきた体感から言えることは、田舎にはそもそも目に見える職業選択の幅が少ないということ。 田舎だと医師と公務員が理想的な職種だという刷り込みが凄いんですよね…でも、実際のところはどちらもエッセンシャルワーカーで、めちゃくちゃ時間に追われています。しかも、職種の幅が少ないことは貧困の連鎖につながり本人の持っている可能性を奪ってしまいます。だから、職業選択という点でも都会のほうに軍配が上がるのです。

文化の土壌

都会は人の出入りが激しいですよね。国内のあらゆる人が集まる土地ですし、海外からの文化も流入しやすい。田舎出身の私が思う都会と田舎の決定的な文化レベルの違いは、本屋の数と映画館へアクセスのしやすさにあると考えています。私が学生時代を暮らしてきた町は、チェーンの本屋が3件あるのみで、最寄りの映画館は片道100km先のイオンシネマでした。鉄道も走っていない田舎だったため、映画館は学生だけで行くこともできずじまい。美術館はもってのほかで大学入学までに1,2回程度しか行ったことがありませんでした(笑)

このような私の体験をもとに言えることは、田舎はアクセスの困難さゆえ、人生の中に映画や文学のような芸術への萌芽を育てるチャンスが得られにくいこと。映画館が近くになかったため、私は今でも映画をあまり見る習慣がありません。近くにそのような環境があればもっと興味を持てたかも知れないし、人生を変える作品にも出会えたかもしれません。

都会にいれば、ただ暮らしているだけで、いろいろな情報が目に飛び込んできますよね。ふらっと興味がわいて友達と行ったミュージカル公演に感動して、演劇に興味を持ち、演劇に没頭していたら大女優になった…!なんてこともあるかもしれない。でも、田舎は強い信念があっても、行動をとるまでのハードルが高いです。そもそも、ふらっと興味がわいて飛び込める環境があることがまれ。だから本当に好きなもの、得意なものに巡り合える機会は限られているし、人の運や縁に大きく左右されがちです。

つまり都会の魅力は、出逢いの偶然性がある点なのです。自己実現も能力開発も都会のほうが圧倒的に有利ですし、何より楽しいことに間違いありません。若者が都会に行ったきり帰ってこないことを地方は嘆いていますが、それはシンプルに都会が楽しく刺激的である点に尽きるでしょう。

住環境

都会は住環境という点でも多様性に富んでいます。いろいろな人のニーズに合わせた環境があります。都市部には子育て世帯が暮らしやすい街(千葉県松戸市、東京都武蔵野市など)や、高齢者が暮らしやすい街(豊島区巣鴨、横浜市など)もあれば、コストを払ってでも利便性の良い街に住むこともできますよね。

つまり、一人ひとり違うライフスタイルにぴったりと合う住環境を選ぶことができること。これは都会ならではのことです。

高収入

都会の2つ目の魅力は収入が高いことです。収入が高いことで何が良いのか?

それは次の2つです。

・生活水準の向上

・長寿化

各々について具体的に解説していきます。

生活水準の向上

収入が増えると、その分だけ生活に余裕が生まれますよね。都会と田舎では同業種でも、もらえる給料がグッと違います。もちろん田舎に比べると都会(特に首都圏)は家賃が高いですし収入の分だけ出費も増えることは事実です。それでも、都会のほうが生活にかかる費用は安いです。

総務省統計局のホームページに各都道府県庁所在地と政令指定都市の品目別の家計調査の結果が載っています。ここから言えるのは、家賃を含めても、必ずしも東京をはじめとした首都圏が割高であるとは言えないということです。ガソリン代の統計を見ると、首都圏や関西の都市圏である大阪や神戸では家庭の年間支出額が非常に少ないことがわかります。これは車を持っている人が少ないから。公共交通機関が発達しているため、車がなくても生活ができることを意味しています。空港も新幹線も簡単に利用できるのは都市圏のメリットです。車は維持費だけでもお金がかかります。田舎であれば車はひとりに一台なければ生活がままならないほど。家計における大きな出費になります。

また、都市圏であれば光熱費も安くなる傾向があります。田舎では基本的に都市ガスを利用することができず、自動的にプロパンガスか灯油になります。プロパンガスと都市ガスの料金は倍額ほどの差を生みます。さらに、競合がないためにスーパーも割高になるのは田舎あるあると言えます。

このように生活にかかるコストを鑑みると、田舎暮らしは家計にやさしいとは言えません。つまり、都会暮らしは経済的余裕が生まれやすくなります。だからこそ、都会では生活水準を向上できるのです。

長寿化

著書「年収は住むところで決まる」によると、収入の高さと寿命の長さには相関関係があると次のように述べられています。

教育レベルの低い人が自分と同じように教育レベルの低い人達に囲まれて生活をしていると周囲に教育レベルの高い人達がいる場合と比べて不健康な生活習慣に陥りやすいことが分かっている。この現象は社会的乗数効果と呼ばれている。
(中略)

社会的乗数効果を問題にすべきなのは教育所得レベルが同程度の人でもどのような教育所得水準の地域に住むかによって健康に大きな差が生じるからだ居住地の教育所得水準は本人の教育所得レベルという直接的な要因と共にその人の健康と寿命に間接的な影響を及ぼす。 ここから一つのショッキングな結論を導き出せる。そう、あなたが何歳まで生きられるかはどの街に住んでいるかと無関係ではないのである。

「年収は住むところで決まる」p.147-149

ここでは、田舎の低所得者がファストフードに頼りがちで健康的な食生活が身につかないことを理由に述べている。これ自体は、日本にはあてはまらないかもしれない。ただ、収入が高いことで生活に余裕が生まれ、健康的な食品の摂取や、医療機関へ定期受診に繋がることは日本でも当てはまるはずですよね。
つまり、長寿に健康に生きられるというのは、都会のメリットの一つなんです!

都会と田舎のどっちを選ぶか?アラサーの争点。

結論から言うと、アラサーの段階では都会一択。そして、ポジティブな意味で田舎へ移住するのは40歳以降とするべきです。なぜなら、アラサーは一生においてまだまだ運用期間だから。都会は良くも悪くも刺激と多様性に満ち溢れています。これがいいんですよね。

そもそも、明確にやりたいことがある人というのはほとんどいません。だから都会で暮らして、やりたいことをとりあえず全部やり切る。これがアラサーには重要。つまり、都会で暮らすことは一種のスイートスポット探しになるんです。チャレンジの糸口を探せるついでに、仲間も増やしやすいので挫折しにくいことも都会のメリットの一つです。

そして都会と田舎を選ぶ観点において重要なのは、子どもが欲しいか欲しくないかという要素。子どもがいるのなら、やはり都会のほうが良いです。その理由は先に述べた通り。それとは反対に、子どもを持たずDINKSとして生きていく人生も、独身として生きていく決意も決まってくるのは40歳が一つの目安だろう。人生の方針が固まってから都会と田舎の決断に踏み切ったほうがいいと私は考えます。

自分としては、子育てが終わった50代後半から田舎に移り住むスタイルが理想だと考えている。それは、なんだかんだ言って田舎が好きだから。何もないけれど、ないからこそ本当に大切なモノが何かをわからせてくれる。不便だからこそ便利さをありがたく思えるような、根源的な楽しさが田舎にはある。

若いうちは都会で暮らし、最終的には田舎に落ち着く。これが私の考えるアラサーの人生戦略です。

まとめ

一度きりの人生、自分の人生は自分で決めよう

今回は都会と田舎、どちらのほうが暮らすならどちらのほうがいいのか。経済学的な側面から考察しました。

アレコレと述べましたが、結局は自分がどんな人生を生きていきたいかというところが肝心。この問題に対して自分なりの結論が出ない限りは、田舎から都会に出る踏ん切りもつかなければ、都会から田舎に行く決意も生まれないでしょう。どの移動に際しても、それ相応の覚悟が必要なのは言うまでもありませんよね。意識しなければズルズルと今の生活に不満を抱えつつも、生きていくことでしょう。

どこまでリアルに自分の未来を考えられるかに掛かっています。一度きりの人生。何をしたいのかが大切。職場に対する愚痴を吐きながらも、誰よりも職場にしがみつく大人にあなたはなりたいですか?目を背けていると、あっという間に過ぎてしまう日々。でも、目を背けたまま生きるには長すぎる人生。

意識しなければズルズルと今の生活に不満を抱えつつも、生きていくのは正直いってダサいです。自分の人生に対して意識的になり、どんな人生を選びたいか考えること。これこそが、都会か田舎か問題の決定打になるのです。

自分の人生をどうやって生きていきたいか?

この疑問を胸に抱えていよう。この質問に向き合うこと。結論によらず、この回答を持ち合わせることが一生の幸福度も生活の満足度も大きく変えてくれるから。

そしたらまた。

こちらもオススメ
【未来予測から考える】戸建てorマンション問題。アラサー世代の人生戦略。あなたはどっちを選ぶ?
  • この記事を書いた人

さとし

病院に勤務するアラサー医療従事者。 趣味は旅行と読書(年間150冊)。 新社会人から30代までの一人暮らしをより豊かに、人生をイージーモードに変えるアイデアを紹介します。 おもに本の紹介や仕事や家事の時間術、おすすめのお金の使い方など。