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『それでも、「普通の会社員」はいちばん強い』これからの会社員はどんなスキルで食っていく?

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今の調子で働いてたら、とてもじゃないけど定年まで保たない!

人生100年時代の到来で、これからは長い一生をどのように生きていくかが重要になってきました。
今勤めている仕事に限界を感じるという人もきっと多いはず。

転職か独立か、グッと堪えてこのまま働き続けるか。悩みどころですよね。

「いずれ、転職独立したいけれどまだ今じゃない」「自分の持っているスキルがなくて踏み切れない」

こんな悩みは尽きません。

今回は、一般的な会社員である私たちがどのようにスキルを身に着けて生きていくべきなのか?

という問いに対して大きなヒントを与えてくれる著書、『それでも、「普通の会社員」はいちばん強い』を紹介します!

◎『それでも、「普通の会社員」はいちばん強い』の読書がオススメな人
・勤めている職業、業界に限界を感じている
・職業キャリアについて思い悩んでいる

では早速はじめていきます!

会社員が最強である理由は3つの能力と12の要素にある

同じ職種に何年も勤めていると、自分の業務に関する領域に関してはとても詳しくなります。
しかしながら、専門領域以外については全く知らないことも多かったりしませんか?
「しがない会社員である自分の価値なんて…」と悲観的になることもしばしば。

自分の持っている知識も断片的なものしか持ち合わせていないし、今後AI産業が発達するにつれて、自分の価値ってどんどん下がっていくのかなと危機感を抱いていたんです。

でも、この認識は誤っているとこの本では述べられています。

たとえば、国家レベルで人材不足が問題視されているデジタル技術ひとつとっても、引き続きその「開発」に従事するのは、どの分野においても一握りの人材である。一方、大部分を占めるのは開発された技術を「運用」する人材(ユーザー、実務者)なのだ。
そして、とことん優れた実務者になるための出発点は、基礎学習にあると筆者は考えている。

それでも、「普通の会社員」はいちばん強い p.137

ここにおける基礎学習というのは、経産省が示すに次の3つの能力であり、12の要素に分解されます。(経産省ホームページより)

☆3つの能力
・前に踏み出す力(アクション)
・考え抜く力(シンキング)
・チームで働く力(チームワーク)

◎前に踏み出す力(アクション)
・主体性
・働きかけ力
・実行力

◎考え抜く力(シンキング)
・課題発見力
・計画力
・創造力

◎チームで働く力(チームワーク)
・発信力
・傾聴力
・柔軟性
・状況把握力
・規律性
・ストレスコントロール力

この経産省の基礎学習に求められる能力と会社員の関係性について、筆者はこのように述べています。

この「3つの能力」「12の能力要素」に見覚えはないだろうか。
これは、現に多くの会社員が経験している人事評価、その評価項目ばかりである。
(中略)
要するに経産省は、会社員にとってはおなじみの人事評価項目を、人生100年時代の社会人基礎力に挙げているということだ。

それでも、「普通の会社員」はいちばん強い p.139-140

仕事をしていると、いろいろなスキルが求められますよね。
時間調整力や、PCを使いこなす技術、自分の意見を頭の中でまとめ上げて主張する能力など、さまざまです。

数々の経験をしながらもこの能力を身に着けて来れたのは、職場が社員教育に投資してくれたからです。
仕事用のスマホやPCが割り当てられているのも、職員へ投資しようという考えがあってこそですよね。
私たちは何気なく身に着けてきた能力こそ人生100年時代を生き抜くための基礎であるということ。

だから、無難に仕事をやってのけている時点で十分に強い存在ですし、基礎学習能力を会社員という比較的安定した立場にいながらも磨き上げられるところに会社員の強みがあるんです。

これからの会社員に必要なスキルとは?

現在私たちを取り囲む問題は山積みです。
人生100年時代、激しい気候変動、円安と物価高騰、周辺地域の国防問題などなど

だから、生きていくには誰かに頼らず自立して生きていける場所を作り出す力が大切なんです。

会社員として勤めることで、人生100年時代を生き抜く社会人基礎力を身に着けることができるのは先に話した通りです。
しかし、これだけでメシが食っていける訳ではありません。

基礎力+αのスキルがなければいけない。
自分の力だけでメシを食う足掛かりとして「就社人と消費者の間に身を置く」ことが重要なんです。

具体的な第一歩は、現に勤める会社から(心理的に)離れて、それまで漠然とお金を払って購入してきた商品やサービスなど、消費の周辺にある仕事を真摯に観察することである。なお、観察の対象は、消費者としてだけではなく、現に勤めている会社の取引先でも勿論よい。そしてこれは、マーケティングにおけるリサーチに相当する。

それでも、「普通の会社員」はいちばん強い p.194-195

メシを食うためにはお金を稼ぐ必要がある。
そのためには、お金を支払う心理的ロジックを理解せずにして稼ぐことはできない。

だから、自分が普段消費者として享受しているサービスをよくよく観察することが大切。
観察から得た学びこそがマーケティングであり、食っていくうえで重要なスキルなんです。
観察することは真面目に本を読んで理解するよりも、身近な話なのでイメージしやすいメリットもあります。

これに加えて、「越境学習」という学びがこれからの会社員を助けるスキルであると述べています。

越境学習とは、「所属する組織や会社の枠組みを越えて(越境し)、異なる組織や環境に身を置くことで、新たな学びの機会を得ること」を指す。具体的な活動は、たとえば社外のセミナーや勉強会への参加、他社への出向、ボランティア活動への参加、副業や兼業など様々であるが、このような活動を通して、自社では得られない知見やノウハウ、文化に触れることができる。

それでも、「普通の会社員」はいちばん強い p.241

ピポッド型のキャリアという言葉があります。
ピポッドというのは、バスケットボール用語で、片足を軸にしてもう片方の足を360°方向に動かす動作。
つまり、本業に軸足を置きながら、いろいろなことに取り組んでみる
本業とは違うものに足を踏み入れて、その場所から学ぶ。そして、また別の場所に足を動かす…

ピポッド型のキャリアを意識することが社会人にとって必要なスキルを磨く助けになるんです。
だから、何にでも興味を持って取り組む。そして、学びを自分の肥やしにする

これが、会社員にとって必要なスキルなのです。

まとめ

自分のスキルは職場のためではなく、自分のためにある

今回は、著書『それでも、「普通の会社員」はいちばん強い』を紹介しました。

ごく一般の普通の会社員こそ、実は社会人としての基礎力はとても高いのでそれほど悲観的にならなくてもいいんです。
むしろ欠けているのは、+αのスキルだけ。
+αを見出すべく、いろいろなことに興味をもち学ぶことをあきらめない。これが重要なんです。

この本は40代をターゲットとして人生のキャリアについての本です。
しかし、私のようなアラサー世代にとっても人生100年時代を生きていくうえで大切な考え方だと感じました。

自分の勤めている職業に限界を感じている人やキャリアについて思い悩んでいる人にこそオススメしたい一冊です。

そしたらまた。

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