読書

【価値観が変わった】何度でも読み返したい!オススメのエッセイを5冊紹介!

本を読むのは好きだけど、時間がなくて一冊を読み切れない…

そう感じている人は多いはず。小説を読むには体力がいりますし、まとまった時間がなければ気力も湧いてこないものです。

ビジネス書であれば、Audibleなどの音声読書を使って読んでいる人も多いでしょうが、小説だと雰囲気とか行間があってこそ、面白い部分がありますよね。だから、なんとなく慣れない部分があって厳しいですよね。

そんな人にぜひ読んでみてほしいのが、エッセイ。短編で区切られているものが多いので読みやすく、かつリアルな作家さん自身の人となりが見えてきます。

もちろん、好きな作家さんのエッセイを読むのはとても良いです。とはいえ、パッと思いつくのは難しいでしょう。

そこで今回は、私が今までに読んだ中で、心を揺さぶられ、何度も読み重ねたいと感じた珠玉のエッセイを5冊紹介します!

本当に読んでよかったエッセイ5選を紹介!

さっそくですが、オススメのエッセイを紹介します!オススメは次の5つです。

・男の作法 / 池波正太郎
・恋愛論 / 橋本治
・断片的なものの社会学 / 岸政彦
・どこでもいいからどこかへ行きたい / pha
・しあわせのねだん / 角田光代

ではそれぞれのエッセイがオススメである理由を解説します!

男の作法 / 池波正太郎

鮨屋へ行ったときはシャリだなんて言わないで普通に「ゴハン」といえばいいんですよ。

このエッセイは上の一文からはじまります。

シャリ、お茶のことアガリと行ったり、お会計をおあいそと言うことは、ホンモノの鮨屋では嫌がられると語る。なぜならそれは隠語であるから。かえって軽蔑されてしまう、というのがはじめに述べた言葉の理由である。

やや細かいように感じる人もいるでしょうか。もっとも作者の池波正太郎もこの本のことを「年寄りの戯言と思ってくれ」と語っている。とはいえ、池波正太郎のような繊細な感性というのは重要なのではないかと感じずにはいられません。

鮨屋の隠語の例からわかるのは、お互いのテリトリーをちゃんと理解して踏み入れないことの大切さです。年上の人に言わせてみれば、最近の若者は相手との距離感がおかしい人が多くなったといいます。相手との距離感は先天的なものではなくて、他者と触れ合う中で形成される。だから喧嘩をしなくなったり、先生から叱られなくなった時代を生きてきた私たち若者世代は、相手との距離感が形成されにくいのかもしれない。そう考えると、逃げずに直接自分たちにぶつかってくれる存在である、おせっかいおばさんやカミナリ親父という存在はありがたいのではないでしょうか?

この本は私にとってのおせっかいおばさんであり、かつカミナリ親父です。

厳しいことも、優しい助言も。うどんの話から、生き死に、異性の話までこの本では幅広く語られていく。

この本が発行されたのは昭和59年(1984年)と今からおよそ40年も昔であっても、色あせない。惜しげもなく男として生きる作法を教えてくれる、貴重な一冊です。

恋愛論 / 橋本治

結婚を前提とした交際が恋愛になっているっていうことだって勿論ある。ということは勿論、それが結婚を前提にした交際であるっていうだけで、ちっとも恋愛なんかになってないっていうことだって十分にありうる。ーというより、イヤミを承知で言わせてもらえば、こっちの方が十分すぎるぐらい十分に、世間にはありふれて存在してるっていうことでしょうね。

「恋愛論」p.14

著者の橋本治に言わせてみれば、結婚を見越した上での交際関係は恋愛ではない。もっともこんな状況だから、恋愛とは存在することが難しいものだ、というように述べているんです。

アラサーは、そろそろ結婚の時期というプレッシャーを浴びる世代ですよね。実際に私も帰省すると、娘息子が結婚した伯母から次はあなたが結婚する番だというように、全くありがたくないコメントを言われます(笑)

自分の心の荷が降りての発言なのでしょうが、こちらからしてみると既婚であることが社会的に優位という前提に基づくマウンティングに感じずにはいられないんですよね…

そもそも、結婚するという打算がないとできない恋愛というのはどうなんだろう。打算がなければ付き合うつもりがないというのは、かえって相手への敬意がないとも言えるのではないでしょうか。

この本は筆者の橋本治さんの話が対談ベースで語られていきます。

恋というものがなんなのか。恋をすることの意義とは何か筆者の口から語られる恋愛遍歴を読めばきっと涙がこぼれてしまう。

この本ではセクシャルな話題は取り上げられることはなく、まさに恋愛論です。あなたにとっての大切な誰かを思い浮かべながら、読んでみてほしい。

断片的なものの社会学 / 岸政彦

あのときの行動と発言って本当に良かったのだろうか?ほかにもっと良い選択はなかったのか?

自分の言動を振り返って後悔することは決して少なくありませんよね。

この本の効能は、後悔や頭の中で引っかかっていることにいろいろな視点を与えてくれるところにあります。

「断片的なものの社会学」では本や映画、テレビのワンシーンや「聞き取り」という社会学研究におけるフィールドワークが出てきます。

登場するのは何気ない普段私たちが経験している日常のちょっとしたシーン。

その例として、私の印象に残っているものが次の文章です。

本人の意思を尊重する、というかたちでの搾取がある。 そしてまた、本人を心配する、というかたちでの、おしつけがましい介入がある。

「断片的なものの社会学」p.207

この文章は決して歯切れのよい文章ではないかもしれない。でも、何もかも歯切れよく書かれていることのほうが、嘘らしく感じられないことを私たちは、薄々理解しつつあるのではないでしょうか?

この本には、読者の思考を矯正する文章はありません。ただ、理解できないことや答えのないものに出会ったときにわからないと言っていいという選択肢を与えてくれます。これは難解な事ばかりが起こる社会における希望なのではないでしょうか?

あまりにも酷い話を聞いたとき、私たちは面白いと感じているわけでもないのについ笑ってしまいますし、また、相手が喜ぶからと本意でもなく喜んで見せてしまうことがある。

これらは、ついとっさに私たちが取ってしまう行動の一つ一つの断片。

こんな問題に対して、この本では何かを直接的に示唆することはない。けれども、考える材料を与えてくれるし、何よりもその断片をすくい上げることのやさしさが心地よいのです。

読むたびに新しい発見があり、そのたびに考えさせられる。何度でも噛みしめて読み返したい一冊。

どこでもいいからどこかへ行きたい / pha

平日は職場と家の往復、休日は友人や恋人と会ったり、職場の飲み会に行ったりしているとあっという間に時間が過ぎてしまう。何をしているわけでもないけど、毎日がどこか同じことの繰り返しのように感じるんです。

流行っているからという理由で物事を選んだり、人気のイベントに参加したりする。本人が好きならそれでよいのでしょうが、To Do リストに入ったタスクのように感じて私は消耗してしまうのです。

結果的に平日も休日も時間に追われる。

なんだかせわしなく、心が休まらないな…と感じる人は少なくないのではないでしょうか?

鬱屈して息苦しい日常に風穴を開けたい。そんなときに私は日常から離れるべく、ひとりで電車か飛行機に乗ってどこか遠くへ出かけることにしています。このきっかけになった本が、phaさんの「どこでもいいからどこかへ行きたい」でした。

僕の実感としては、「旅行中にインターネットをしている」のではなく、「ずっと家でインターネットしていると飽きるからたまには別の場所でインターネットをしている」というほうが近い。部屋が好きだし部屋で過ごすのが好きだけど、でもずっと同じ部屋でネットをしているとなんか行き詰まったり飽きたりしてくるところがどうしても出てくる。だからたまにはちょっとこもる部屋を変えてみるという、それだけのことなのだ。

「どこでもいいからどこかへ行きたい」p.40

何をする目的もなく遠くの街へ行くこと。車窓からの眺めを見たり、昼寝をしたり、ずっと読みたかった本を読んだりする。意味ばかりが求められる日常に疲れ果てているからこそ、この無意味さが必要で、自分を取り戻す行為として輝くのではないでしょうか?

何の変哲もないビジネスホテルに泊まってみる話、外食にはチェーン店を好む話、昔住んでいた場所に行って見る話…

このエッセイの短編はどれも、お世辞にもきらびやかな内容とは言えない。

けれども、等身大の自分に立ち返らせてくれる。ちゃんと自分自然体な場所に引き戻してくれる力がこの本にはあります。

毎日を追われて過ごし、ちょっと日常に肩が凝っているあなたに。日常で消耗していくうちに生じるズレをこの本は読みたびに何度でも戻してくれる一冊です。

しあわせのねだん / 角田光代

私たちは日々、ものや食べ物を買って生活していますよね。現代は、自給自足的な生活は簡単なことではなく、ほとんどの人がこのようにして暮らしているはずです。

何かを得るためにはそれ相応の価値と交換が必要で、そのために私たちは対価としてお金を払っています。

お金は作業の手間であったり、時間を買うための場合もあるし、娯楽のために利用することもあります。つまり、使い方にはたった一つの正解があるわけではないのです。

角田光代さんの「しあわせのねだん」はお金を使うことを通して書かれたエッセイです。この本では、ありとあらゆるものの値段をもとにエッセイを展開していきます。

977円の昼めし、59000円の鞄、30000円のキャンセル料…

取り上げられるテーマは様々で、それ故にいろいろな側面からお金の使い方と人生について考えさせられます。

何かに付けて節制ばかりが重視される今の時代にこそ、角田さんのエッセイが効く。

そもそも何に関しても溜め込むことは良くありません。吐き出したり、放出するからこそ、新しい風が吹き、また新たに蓄えることができるのです。

未来に対して強く不安を感じる人にこそ、このエッセイはオススメです。そもそもお金って何だっけ?と問い直すことで、いたずらな不安から逃れることができるようになるから。

まとめ

エッセイでこころに水やりを。

今回はオススメのエッセイを5冊紹介しました。中には小説やビジネス書を読むものの、エッセイはあまり読まないという人もいるかもしれません。

でも、そんな人にこそエッセイを読んでみてほしい。どんなに偉大な人でも、実は同じような問題を抱えているんだと分かれば、そこに明確な回答がなくても自分に似た仲間がいることを知り心理的に落ち着くことができますし、あわよくば解決の糸口も得ることができます。

作家さんが紡ぐ等身大の文章を読むからこそ、救われることがあります。だから、エッセイは効くのです。

エッセイでこころに水をあげましょう。

そしたらまた。

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  • この記事を書いた人

さとし

病院に勤務するアラサー医療従事者。 趣味は旅行と読書(年間150冊)。 新社会人から30代までの一人暮らしをより豊かに、人生をイージーモードに変えるアイデアを紹介します。 おもに本の紹介や仕事や家事の時間術、おすすめのお金の使い方など。